マッコリとは、朝鮮語で「マ」(大ざっぱ、粗く)、「カリ」(ろ過する)という意味を持ち、酒を造る過程でできる沈殿物をろ過せずにそのまま残したことからこの名前がついた韓国の代表的な伝統酒。
蒸し米と小麦麹(こうじ)をあわせて一段で仕込む速醸酒で、3、4日で仕上げ、米と小麦の麹で仕込んだ酒の上澄み(清酒になる部分)と下の濁った部分をそのまま分けず‘マッ(すべて)コルダ(漉す)’。
簡単に言うとお米を発酵させて作る「濁り酒」「粗ごし酒」である。日本では「どぶろく」と言う呼び名が有名。
日本酒がだいたいアルコール度13〜15度程度なのに対しマッコリは6〜8度と、かなりライトなお酒。
若干の粘性、麹により糖化された米の甘味、酵母、乳酸菌による発酵のよわい酸味があり、マイルドで、日本酒や焼酎はちょっと苦手という人も飲みやすい。
米の原料が、マッコリ特有の食欲をそそる味とゆかしくほのぼのとした香を生みだす。
そのなかで生マッコリは加熱処理せず、搾りたてのフレッシュな味を提供する。
マッコリは稲作が伝えられた紀元前1000年から造られているともいわれる。酒は米と水を放置したままでも発酵が進み、偶発的に発見されたものが多く、マッコリは、自然発生し、独自に発展したともいわれる。麦麹を使用した紹興酒(黄酒)系の大陸系醸造法を用いている。
マッコリを飲むのは、長い歴史と伝統が育んだ。現在のように大量に造られる前、秘伝の造り方を受け継ぎながら各家庭ごとで作られ、「家醸酒(カヤンジュ)」と呼ばれ、冠婚葬祭と宴席で振る舞われた。
各家庭で醸造方法が異なり、その白い色合いにも差があった。
陶器の壷や甕などの上に「井」の字型の棒を置き、その上にふるいをのせて濁った酒をもみほぐしながら漉したものだったといわれる。
現在のキムチのように農家で醸造しており、そのため「農酒(ノンジュ)」といわれる。雨が降って農作業が出来ない日に、やむなく家にこもってマッコルリを飲んだとも。
農作業の合い間に、おやつにのんでいたそうだが、昼食時に弁当におかずを入れることができず、かつて、韓国の農民は貧しく、満たされない胃袋を、マッコリを飲むことでなぐさめ、適度にアルコールの入ったマッコリは肉体労働の疲れを癒し、お腹も満たしてくれた。そしてしばらくの間、気持ちよくうたた寝をさせてくれる効果もあった。
面白いことに、昼食時にマッコリを飲んで昼寝をするという農民の習慣が、のちに風流な習慣として上流階層の人々に広がり、ついには宮廷までも、その風習をサンチサムと呼んで採り入れるようになった。
マッコリは、韓国では昔から農民を中心に庶民のお酒としてさかんに飲まれてきた。
マッコリはこうした庶民の生活に欠かせない存在であり、人々の大切なエネルギー源として愛されてきたお酒なのである。
現在若い人から年寄りまで、よく飲まれ、「民俗酒場」といわれる、古い民家風インテリアのリーズナブルな飲み屋で、マッコリがおかれている。食事との相性も幅広く、韓国料理、焼肉、日本食との相性もよい。
古くから大衆酒として愛されてきたマッコリは、もち米、お米、麦、小麦粉、ジャガイモ、アワ、とうもろこし等を原料に、蒸して乾燥させ、麹と水を混ぜ、決まった温度で発酵させた後、清酒を汲み出さない状態のまま絞り出す。
マッコリの製造工程は以下のようになる。
@原料(米、小麦粉)の選別
A水洗(原料洗浄)
B蒸米(蒸す)
C粒麹を布で包む(菌を加えふろしきに包む)
D醍麹(一定の温度で麹生成)
E段仕込作業(酒母、再段仕込)
F熟成
G醍成し濁酒
殺菌処理で殺菌濁酒の生成
Fの熟成の工程で使われる、甕は磁器と比べ材料の胎土が微細で、空気だけを通しマッコリをゆっくり発酵・熟成させる。
逆に余分な水は吸収して陶器の外へ送り出し気化熱を奪い、適温で長期貯蔵できる。
その特性でマッコリの保存容器としても利用できる。
歴史的にお酒を仕込むには、
@原料
A麹をつくるタイミング(現在のように人為的に温度調節が出来なかったため)
B衛生(雑菌の防止)
C良質の水(汚染の防止)(例えば、地下のミネラル豊富、綺麗な岩盤水など)
D清潔な容器
E温度管理
等の「六材」が重要で、マッコリもこの原則が守られる。
マッコリには糖質、コーリン、たんぱく質とビタミンB複合体が豊富に含まれて、美肌によい。
韓国では薬酒と同質のお酒と扱われ、マッコリは胆のうを丈夫にするともいわれ、酵母がコレステロール値を下げる効果があるという結果もある。
マッコリは、たんぱく質酵素が生む生理活性物質が豊富で体に負担を与えにくいが、乳酸菌が接木され、マッコリに含まれる乳酸、クエン酸、りんご酸、酒石酸などの有機酸の効果で体内にたまった疲労物質を除去してくれる。
米を液化及び糖化させて乳酸菌が育つ条件を作った後、乳酸菌を培養させ、マッコリと混ぜた後、長期保全目的で殺菌し、この乳酸菌培養物に、乳酸が多量に含有されており、鉄分の吸収を助ける。
美味しい時期に瞬間殺菌し、発酵を止めることで、二日酔いと気分の悪さを抑える。
生マッコリ
生(地)マッコリは文字通り、発酵が進行中(生きている)のものをいい、
生マッコリは、アルコール成分が新陳代謝を活発にし美容によいとされ、乳酸菌が体の老廃物を取り除き、酵母が、高血圧を抑え、肝機能と血流改善など成人病の予防にもよいとされる。
マッコリは単純な嗜好品ではない健康飲料でもあり、韓国では長生きのご老人にもマッコリ愛飲者が多数いて、長寿者が有機酸を多く含む食べ物を好むという事実は、世界長寿村の長寿者達と同じだ。
マッコリのメーカは、
水刺マッコリ -
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巨林ジャパン |
抱川一東マッコリ - |
巨林ジャパン |
二東マッコルリ - |
二東ジャパン
除隊して二東地域を離れ全国各地に散らばった元兵士たちが、その味を忘れられずに各地で「二東マッコリ」を求めたため、韓国中で需要が高まり、標高903mの白雲山から湧き出る「玉水」と称される澄んだ岩盤水が使われる。 |
草家マッコリ - |
草家 |
純米マッコリ米夢 - |
麹醇堂 百歳酒ジャパン
原材料として米100%を蒸さずに使用するとしている。 |
楊州マッコリ- |
楊州酒造 |
秋風嶺黒豆マッコリ |
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ソウルマッコリ
(月梅米マッコリ) |
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など様々な銘柄がある。
種類は、以下のように多種にわたる。
マッコリ |
二東マッコリ、江華マッコリ、農酒マッコリ、ソウルマッコリ、草家マッコリ、水東マッコリ、抱川一東マッコリなどがある。 |
生マッコリ |
純米の生マッコリの特徴
韓国内において近年「米、米麹」だけを原料として使用した製法のマッコリが非常に評価が高くなっている。
小麦等を原料とすると雑味が多く香りも際立たないなどの難点があり、マッコリ、トンドン酒を程よい酸味、甘味を際立たせる「米、米麹」のみを原料とする。
生マッコリは通常のマッコリに比べ貯蔵期間が短く、保存方法には注意しよう。 |
黒豆マッコリ |
黒豆が入っているので少し黒っぽくとても飲みやすく、口あたりまろやかで、黒豆の甘みとコクと風味を堪能できる。
二東黒豆マッコリ、楊州黒豆マッコリなどがある。 |
おこげマッコリ |
どことなく、懐かしさと香ばしさを味わえるほどよいコクと甘みと苦みがあるマッコリ。 |
かぼちゃマッコリ |
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あわがらマッコリ |
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緑茶マッコリ |
緑茶は体の酸性化を防ぎ、バランスを整える効果があり、普通のマッコリとは違う不思議な甘さがある。 |
ツルニンジン
マッコリ |
淡白な味と香りにすぐれ、美容効果。 |
HITEマッコリ |
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ぶどうマッコリ |
セセクシがある。 |
いちごマッコリ |
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梨マッコリ |
甘みと酸味が独特の香りと調和を醸し出し、食材そのものの味を引き立たせ、生魚や魚介類等の料理に合う。梨の果実をしぼったなめらかでクリーミーな舌触り。 |
ドンドン酒 |
マッコリになる一段階手前の工程でできる、漉さずに米粒の浮かんだ状態の酒。 |
チャップサルマッコリ |
もち米の原料で作ったマッコリ。 |
通常、直射日光を避け、涼しい所に常温保管。
・紙パックのマッコリ(殺菌濁酒)は保存期間が短いという既存のマッコリを、高温瞬間殺菌処理をし、保存期間を10ヶ月以上になるようにした。
・ペットボトルのマッコリは発酵酒のためキャップに特殊なガス抜き加工が施されている。必ず冷蔵庫で立てて保存する。保存期間は3ヶ月になる。
・生マッコリ、ドンドン酒は酵母がまだ生きているためお手元に届けば直ちに0℃〜5℃で保存しよう。到着後は必ず数時間(冷蔵庫で)静置してから開封する。温まると酵母が活性し、吹き出てくる。保存期間は1から2週間。
よく振って飲む。
冷やして飲む。
マッコリの壺セットの器についで飲む。
お酒の味は酒器で変わり、マッコリをひしゃくですくってお椀に入れて、その作業が結構楽しい。 マッコリを陶器に入れて飲むと、その味わいは一層深みが増す。
マッコリは濁り酒なのでしばらく置くと上澄みと沈殿物に分かれていく。
よく振って飲む、お酒を振る前のうわずみの透き通った部分だけを飲み、上澄みのクリアーな部分からだんだん濃いところへいく、おのおのの楽しみがあり、混ぜたときの味の違いを楽しむ飲み方もある。
もし、一口飲んでみて好みじゃなかった場合は、今度はしばらくおいて、上澄みだけ飲んでみるとまた、味が違って飲みやすくなる。
マッコリは発酵が進むと酸味、炭酸ともに強くなり、これがまたうまみを引き立たせる。
マッコリをいろいろなお酒やコンク系で割ってみる。
ウイスキー割 |
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焼酎割 |
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果実割 |
オリジナルの果物を直接ミキサーにかけてつくる、イチゴ、キウィ、梨、りんごなど、季節ごとに旬の素材が楽しめる。 |
ヨーグルト割 |
マッコリとヨーグルトを混ぜ、分量はお好みで「マッコルト」と言って、今さらに大人気な飲み方。
焼肉、中華料理、てんぷら、お刺身、日本食との相性も。脂っこい食べ物と相性がよく、風味の強い料理に合う。 |
シャーベット |
生マッコリをシャリシャリに凍らせた「シャーベットマッコリ」は、アルコールがちょっと苦手な人でもデザート感覚が楽しめると人気を呼んでいる。 |
アイスクリーム |
マッコリアイスクリームも楽しめる。 |
サイダー割 |
サイダー割りもお薦めです。サイダー(甘い)と割って飲めば、アルコール度数も下がり、飲み易い。 |
サイダーとフルーツ割 |
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ミルクとフルーツ割 |
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ジュ―ス割 |
オレンジ、レモン、青りんご、マンゴー、グレープ、パイナップル、グレープフルーツ、あんず、梅、カルピス、カシス、などのマッコリのカクテルは、“カクテルは色で楽しむ”といわれるように、気分を盛り上げる。 |
トマトジュース割 |
トマトジュース割りが、、ピンクの色がお薦めで、さっぱりと飲み易い。 |
ジン割 |
マッコリと辛味や清涼感のあるジンジャーエールは、淡白な味付けの料理に合う。 |
ビール割 |
マッコリのビール割りが、口当たりがよく抜群。
グラスに半分もしくは例えば3割ほどマッコリを注ぎ、残りはビールを注ぎ、爽快な味わいで、ビールが絶妙にマッチし、美味しい白ビールに。こってりとした料理に合う。 |
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1.米もしくはもち米を炊く(3合)
2.水と混ぜる(1リットル)
3.乾燥米麹200グラム・ドライイースト・乳酸菌を混ぜる
4.容器に移す
5.3日ほどで完成そして絞りへ
マッコリの作り方は簡単で、蒸したお米に、水、米麹・麦麹を加え、そこに雑菌を抑えるために乳酸菌を少々入れる。そして3日間待つことで、マッコリが出来上がる。あまった酒かすは、パックとしても利用でき、捨てるものがない。