冷麺(ネンミョン)とは?
そば粉、緑豆粉などを用いた冷たい麺料理。
ムルレンミョン(水冷麺)とビビンネンミョン(辛口混ぜ冷麺)があります。
木製の人力押し出し機で出された麺は比較的に太い麺だったというが、押し出し機が機械になってから徐々に細くなりました。
小麦粉を麺の素材にし、ソバ粉、またはジャガイモ、サツマイモもともに麺の素材にされます。
韓国では、冷麺は夏でなく、ひんやりした平壌冷麺と、ピリピリで弾力のある咸興冷麺を寒い冬に暖かい床暖房オンドルの上で食べるといいます。
夏と共に冬の風物詩としても食します。
1849年に書かれた『東国歳時記』には「ソバ麺を大根キムチや白菜キムチと混ぜ、豚肉を乗せたものを冷麺と言う」と記されています。
ピビンネンミョンについては「野菜、梨、栗、薄切りにした牛肉、豚肉を、油や醤油とともにソバ麺に乗せたものを骨董麺と呼ぶ」とあります。
11月の項目で冬の料理と紹介され夏の風物詩としての側面と併せ持つようです。
1800年代末に『是議全書』(しぎぜんしょ、料理の記載が非常に充実している)にも冷麺、骨董麺が現れます。
小麦粉、澱粉(サツマイモ澱粉、芋澱粉またはタピオカ澱粉)及び蕎麦粉を主原料として用い、小麦粉と澱粉の混合物に水を入れて混練し、混練により得られた
約50〜60%水分含有の麺生地を、押出機のスクリューによって押し出して成形します。この際、押出機のバレル
は、麺生地の高水分による食感を向上させるように、約150〜200℃で加熱されます。
前述した押出工程によって形成された冷麺成形物は、約24時間冷凍し(−15〜−25℃)、さらに約24時間冷蔵熟成(5℃)させた後、解凍します。その後、常温での手揉みにより麺線の分離を行います。この過程における冷麺の冷凍及び解凍は、麺線の分離をより容易に行うためです。
もともとは朝鮮半島北部の代表的料理で、現在は北朝鮮に位置する平壌(ピョンヤン)と咸興(ハムフン)が有名。
現在食べられる冷麺も、平壌式のムルレンミョン(水冷麺)と咸興式のビビンネンミョン(辛口混ぜ冷麺)に大別されます。
平壌式のムルレンミョン(水冷麺)
ソバ粉や緑豆粉が麺の素材で、牛肉、又は鶏肉、キジ肉などで取ったダシにトンチミ(汁を多めにし味を薄めに作った大根のキムチ)の汁を加えて作る冷たいスープ。
薄切りの牛肉、大根キムチ、梨、ゆで卵などの具に、カラシと酢を添える。
麺は太くて黒っぽく、噛みやすいが、白っぽく細い麺も存在する。
平壌は内陸部。
咸興式のビビンネンミョン(辛口混ぜ冷麺)
ジャガイモ、サツマイモ、トウモロコシなどが麺の素材で、スープがなく、エイ、カレイなどの刺身(フェ)をのせ、唐辛子をベースにした激辛のヤンニョム(合わせ調味料)でをかけ、混ぜて食べる。
麺は細くて白っぽく、噛み切りにくいが、ソバ粉をいれ黒っぽく太い麺も存在する。
咸興は半島東の沿岸で海産物が採れる。
地方により、ドングリ(トトリ)の粉を練りこんだトトリ冷麺があるほか、緑茶や薬草などの材料で葛を材料にしたチック冷麺、そば粉だけで作ったメミル冷麺があります。